=菅江真澄記=
野崎の女郎山の麓に解脱林という禅室がある。ここは萬固山天徳寺にかかる僧侶の閑居地だそうだ。
この地の右手の方に小高い岡があって、かつて国の守の雪見殿の跡だ。
この岡からは少し広い沼が見え隠れして、ところどころに赤い色に染まっている。
まさに「赤沼」とは面白い。
=現在の赤沼=
現在は太平山三吉神社の里宮となり、活況を呈しています。
旧正月ともなれば、「梵天」の奉納が行われ、雪の中で裸の男衆が一番乗り目指して階段を駆け上ってくる様は勇壮です。
当時の沼は埋め立てられ、住宅地となっており、昔の沼の面影はまったくありません。