二つ森縁起(八橋)

=真澄記=

秋田市に八橋という地域がある。その中に八橋田という地区は、開墾に難を極めたそだ。 

この辺は昔「神田郷」とよばれていたそうだ。東側の森を二個杜(ふたつもり)、西側の森を弁天森、道路を隔てた森を鬼歩荷森(おにかちにもり)いい、共に開墾者の心のより所となっていたそうだ。

 

 

=真澄記=

八郎湖に住む龍に会いに吉野からきた鬼が、男鹿の山の高いのに驚き、これに劣らない山を作ろうと決心する。

ある晩、2頭の馬に沢山の土を積んで遠方から運んで、村の東側にある小山の上に運ぶ考えだった。  

ところが、途中で家々の鶏が鳴き出したので、鬼たちは明るくなっては困るというので、土をその場所へ捨てて逃げ去った。

その土で「二ツ森」ができ、2頭の馬が山の中ほどで石に化けた、、 というのが、今の白駒・黒駒両社の由来であり、鬼が逃げ越えたというので「鬼越」の地名が残っている。 


真澄:二つ森

二つ森


東側の二個杜(ふたつもり)

西側の弁天森